新築で利用できる補助金
こんにちは、広報担当の大坪です。
令和4年度の様々な補助金や税制優遇措置が施行されています。新築をお考えの方はご自分でお調べになった方もいらっしゃることと思います。
でも何だか複雑でよくわからない…結局うちの建設計画は対象になるの??
補助金を調べると出てくる「長期優良住宅」や「ZEH(ゼッチ)」なる用語。この2つは、補助金はもちろん税制優遇でも特例措置が多いため、知っておいて損はありません。
今回はこの2つについて、詳しく解説いたします!
<長期優良住宅>
長期優良住宅とは読んで字のごとく、“長期に渡り良好な状態で使用するための措置が講じられた優良な住宅”の事です。
長期優良住宅の認定を受けた場合、住宅ローンの金利引き下げや建築費の補助など通常の新築の補助・優遇よりも好条件な特例措置が適用されます。
では具体的に、「長期優良住宅」とはどのような住宅が当てはまるのでしょうか。
大きく分けて以下の5つの要件が当てはまる必要があります。
① 長期に使用するための構造及び設備を有していること
② 居住環境等への配慮を行っていること
③ 一定面積以上の住戸面積を有していること
④ 維持保全の期間、方法を定めていること
⑤ 自然災害への配慮を行っていること
上記の5つの中でさらに細かな基準が設けられており、「いいものを作って、きちんと手入れして、長く大切に使う」社会へ向かうことを目的としています。
申請~認定については、全て着工前に行わなければなりません。
まずは住宅性能を評価する機関へ、“長期使用構造等であるかの確認”を申請します。その確認書等とその他必要書類をもって、“認定申請”をします。(確認の申請をせず直接認定申請をすることもできます。)
その後工事が竣工すると、次は工事が完了した旨の報告を行います。居住を開始した後は、申請時に作成した維持保全計画に基づいた管理が求められます。
このように、長期優良住宅は長く良好に使う事が目的のため、数十年に渡る計画性が必要です。
<ZEH(ゼッチ)>
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは、断熱や高効果設備による「省エネ」と、太陽光パネルなどによる再生可能エネルギー「創エネ」で、年間の一次エネルギーをゼロにする事を目指した住宅を指します。
目的としては、「環境に優しく(CO2排出が少なく)、エネルギー消費も少なく、価値のある家」を沢山建てることで、“地球温暖化対策”“省エネルギー政策”“環境負荷の低減”を達成することと言えます。
それではZEHの定義とはどのような物なのでしょうか。
経済産業省の資源エネルギー庁によると、
「外皮の高断熱化及び高効率な省エネルギー設備を備え、再生可能エネルギー等により年間の一次エネルギー消費量が正味ゼロまたはマイナスの住宅」
とあります。
具体的判断基準は
① ZEH強化外皮基準を満たす
→壁や屋根など外気と接する部分に断熱材を施工することで、室内と室外の熱の移動を減らす
② 再生可能エネルギー等を除き、基準一次エネルギー消費量から 20%以上の一次エネルギー消費量削減
→空調、照明、給湯、換気の4つの機器で、一次エネルギー消費を従来よりも20%以上削減すること
③ 再生可能エネルギーを導入(容量不問)
④ 再生可能エネルギー等を加えて、基準一次エネルギー消費量から100%以上の一次エネルギー消費量削減
→太陽光発電システムなどを導入して、家庭で消費する電力を家庭で作り出す
となっています。
ZEHの目的は住宅による環境への影響を減らすものですから、長期優良住宅に比べると限定的な基準ですね。
上記の定義や基準を見ても、結局よくわからないと思う方がほとんどだと思います。数値的な基準は建築側で計算しなければならない事ですので、覚える必要はないでしょう。ただ、長期優良住宅やZEHを建築するのであれば、きちんと基準に則った建築計画になっているかどうかは建築士や建築業者ときっちりとすり合わせをしてください。竣工してから認定できなかったとなっては元も子もありません。
―対象になる補助金・税制優遇措置―
それでは長期優良住宅やZEHに適用できる補助金を紹介していきましょう。
① ZEH支援事業
ZEH住宅あるいはZEH+住宅を新築・購入した人が対象の補助金です。新築・購入する住宅が経済産業省がとりまとめたZEHロードマップにおける「ZEHの定義」を満たしている場合に、補助金が支給されます。
※ZEH+とは:ZEHを更に超える省エネ住宅
② 次世代ZEH+(注文住宅)実証事業
新築のZEH+住宅が対象です。「ZEH+に係る要件」を満たし、「蓄電システム」、「V2H充電設備」、「燃料電池」、「太陽熱利用温水システム」、「太陽光発電システム(10kw以上)」のいずれか1つを導入していることが条件となっています。
③ 次世代HEMS実証事業
新築ZEH+住宅を対象にしています。「ZEH+に係る要件」を満たし、「蓄電システム」または「V2H充電設備」のいずれかを導入し、太陽光発電エネルギーの自家消費の拡大を目的に、AIやIoT技術などによる最適制御を行う仕組みを備えていることが条件となっています。
④ こどもみらい住宅支援事業
子育て世帯、若者世帯(夫婦いずれかが39歳未満)が住宅を新築・リフォームする際に申請できる補助金です。長期優良住宅やZEHの場合、補助額が多めに設定されています。
⑤ 地域型住宅グリーン化事業
長期優良住宅、ZEH住宅、低炭素住宅といった住宅を、認定を受けた地域の中小工務店が建築・リフォームした場合に、補助金を交付する事業です。加算項目を満たすと増額されます(上限あり)。
税制優遇についても大まかに紹介しますと、
① 住宅ローン減税による控除
② 固定資産税の減額
③ 登録免許税(所有権保存登記の場合)の税率優遇
④ 不動産取得税の控除
などがあります。長期優良住宅やZEHを新築される場合はご自分が当てはまる物を事前に調べ、申請方法などを把握しておきましょう。
プランニング中に要チェック!
ここまでご紹介したように、様々な補助金・税制優遇があります。ご自身の建築計画が当てはまるのであれば、申請チャンスを逃さない様事前に調査・準備し、期限内でもできる限り早めにに申請することが大切です。(予定期間より早く締め切る場合があります。)
ひとつひとつ細かい条件などが公示されていますので、当てはまるかも?と言う方は漏らさずチェックしてくださいね。