こんにちは。株式会社TAKAYASUコントラクト事業部部長の木原です。
高級なホテルやセレブの邸宅に大きな面積で味わいのある金属が使われているのを見られたことはありますか? 実は重量軽減と三次曲面にも追随させる為に、金属粉を用いた塗装を行っている事が多いのですよ。 弊社で携わりましたハイブランド店舗や住宅では、この金属塗装を名古屋のアイチ金属工業さんにお願して制作頂いております。 この金属塗装は「ベロメタル」の名称で受注制作されており、知る人ぞ知る日本を代表するスペシャルマテリアルです。
アイチ金属工業さんは会社もとてもCOOLです。
この会社は夕景が良く似合いますよね。
この壁もベロメタルで仕上げられていますが、これが塗装と気付く人はいないんじゃないですか。正に巨大な錆び鉄ですよね。
ベロメタルは本当の金属粉を塗装し、独特の表情を作り上げる技術です。
一般的に塗装は誇りとの対決であり、こちらのアイチ金属工業さんでは巨大なクリーンルームと呼ばれる超ハイテクな塗装ブースをお持ちで、埃を寄せ付けない環境で塗装されています。
然し、本当の金属粉を用いる事で、私がお願したスチール黒皮仕上げ調(生の鉄板の表情)を塗装するには、塗装時の気温や湿度により色合いが変わるとの事です。
実際に雨天等湿度の高い状態で塗装すると若干赤みが増して仕上がり、乾燥した環境であれば青く黒い表情になります。
その為、私が今回望んだ青黒い表情を作り上げる為、天候待ちを行いました。
制作に立ち会いたい旨を事前に告げていたこともあり、このタイミングしかないって状況で「4時間後に塗装を開始します」って連絡があり、京都から名古屋に急いで赴きました。
塗装完了後、写真の様に匠の技でワイピング技法による模様を描いて頂きました。
この匠ダンディーな外国人の様にも見えますが、実際にお会いすれば気まじめで無口な昔気質な職人さんです。正真正銘「大和男児」でした。
こんな職人さんが技術大国ニッポンを守って下さってるんですね。感謝です。
正面の幅広い引き戸が実際に施工した風景です。
自画自賛で恐縮ですが「とにかくカッコいい!」
物欲に憑りつかれた私にとっては一日中唯々眺めていたい最高の風景ですね。
因みに右横の壁はストーンシートと呼ばれる本当の石をブラジリアンワックスの様に接着剤を塗ってベリベリって表面をめくって壁紙の様なシート状にしたマテリアルです。
このストーンシートはまたの機会に詳しくご紹介します。
今回の「ベロメタル」は外光が入る向きも計算して引き戸の表裏で表情を変えて頂きました。
この引き戸の下地は木製フラッシュ構造のいわゆる普通の木製引き戸です。
不思議ですよね。
今回の様にフラッシュ構造の木製建具にも塗れますので、当然テーブルやカウンターの天板にも御使用頂けます。
リノベーションであれば、現在お使いのキッチンの扉を塗り替える事で、一気に印象が変わるのではないでしょうか。
色合いに関しても今回は空間の調和を狙いスチール黒皮仕上げに仕上げましたが、金色の真鍮の様な表情や、緑色の緑青の様な表情等も出来ますので、お好みに合わせて様々な表情を作り出せます。
一般の住宅ですと、お安くはありませんので大量に使用する事は難しいでしょうが、ワンポイントとして御使用頂くのであれば、予算調整の範囲ではないでしょうか。
個人的には本当におススメのマテリアルです。