こんにちは、広報担当の大坪です。2023年の初ブログです!本年もどうぞよろしくお願い致します。
2015年に国連総会で採択された「SDGs」。持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)とは、ひとつしかないこの地球で暮らし続けられる「持続可能な世界」を実現するために進むべき道を、世界中のさまざまな立場の人々が話し合い、課題を整理し、解決方法を考え、2030年までに達成すべき具体的な目標を立てたものです。
タイトルのZEH(ゼッチ)とは何?SDGsと何が関係あるの?などを本日は書いて行きたいと思います。
ZEHとSDGsとの関係
今回のお題「ZEHゼッチ」とは省エネ性能に優れた木造住宅で、カーボンニュートラル推進のため政府が補助金予算を確保している高性能住宅のことです。
カーボンニュートラルに貢献できると言う事は、SDGsの17の目標の7番目「エネルギーをみんなに。そしてクリーンに」及び13番目「気候変動に具体的な対策を」に対しても住宅単位で目標達成に貢献できると言えます。
更に、日本はエネルギー自給率が元々低い上に災害が多く、災害のたびにエネルギー生産が間に合わずエネルギー価格が不安定になる可能性が問題となっています。そこで、住宅単位での省エネルギー・創エネルギー化が最重要課題となっているのです。
東京都で新築住宅の太陽光パネル設置義務化の条例が可決され話題になっていますが、アメリカ・カリフォルニア州やニューヨーク市などは2020までに既に義務化されています。またロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー危機によって、ヨーロッパでは再生可能エネルギーの導入が先行しています。
例えばEU(欧州連合)では2029年までに全ての新築住宅を対象に設置を義務化することを検討しており、ドイツでは16州のうち7州が義務化条例を既に導入済みだと言います。
ですが、SDGsを達成するには(SDGsが無くとも)まず戦争など今すぐやめなければなりません。なぜなら戦争行為は絶対的にSDGsに対して反するものであるからです。子供でも分かることが、なぜ止められないのでしょう?
日本ユニセフ協会WEBサイト 「SDGsってなんだろう?」
→→→こちらから(外部サイトに飛びます)それで、結局ZEHとは?
「ZEHゼッチ」とは、Net Zero Energy Houseの略称で(Nはどこ行った?は心に留めましょう)、「断熱」「省エネ」「創エネ(エネルギーを創る)」の3つの要素で“年間の一次消費エネルギー量(空調・給湯・照明・換気)をおおむねゼロ以下にする住宅”のことです。
※一次エネルギーとは:自然界から得られた変換加工しないエネルギーのことで、石油、石炭、天然ガス、ウラン、太陽光、水力、風力、薪、木炭などを言います。
「断熱」は、住宅内外の熱を伝えにくくする性能です。これにより、冬は室内の熱を逃がさず夏は外気の熱を入れず、空調費を節約しながら住宅内の温度を快適に保つことができます。ZEH基準はこの熱の移動量“外皮平均熱貫流率”(UA値:外部へ逃げる熱量を外皮全体で平均した値)がとても低く(外部へ逃げる熱がとても少ないよう)設定されています。
「省エネ」は、一次エネルギーの消費量を抑えることです。住宅をZEHにするにはエネルギー消費の大きい「空調」「照明」「給湯」「換気」はZEH基準を満たす機器を使用しなければなりません。
「創エネ」は、エネルギーを創り出すことです。ZEHでは主に太陽光発電を家庭用燃料電池や蓄電池などと組み合わせて導入します。これにより、日常のエネルギー消費だけでなく災害時のエネルギー補充にも役立てることができます。
政府はZEHの普及について「2030年までに新築住宅の平均でZEHの実現を目指す」と目標を設定しており、そのためZEHを新築する場合の補助金を、“カーボンニュートラル推進・実現事業”として予算組みしているのです。
ZEH新築の補助金
ZEHを新築する際、要件に適合すれば補助金を給付してもらうことができます。
① こどもエコすまい支援事業
エネルギー価格の影響を受けやすい子育て世帯(18歳未満の子がいる)・若者夫婦(夫婦いずれか39歳以下)世帯のZEH新築や既存住宅の省エネ改修を支援し、2050年カーボンニュートラルの実現を図るのが目的。
□補助額(注文住宅の新築・新築分譲住宅の購入):最大100万円/戸
② LCCM住宅整備推進事業
2050年カーボンニュートラルの実現に向け住宅の脱炭素化を推進するため、先導的な脱炭素化住宅であるLCCM住宅の整備に対して補助を行う。
※LCCM住宅とは、資材製造や建設段階、解体や再生利用、使用段階までのCO2排出量の削減、住宅の長寿命化によってライフサイクル全体を通じたCO2排出量をマイナスにする最高レベルの脱炭素住宅のこと。つまりZEHを建てるだけではダメで、更に厳密な省エネ基準が設けられている。
□設計費 、建設工事等における補助対象工事の掛かり増し費用合計額の1/2
□補助額(新築):最大140万円/戸
③ 地域型住宅グリーン化事業(住宅・建築物カーボンニュートラル総合推進事業)
地域の資材供給・設計・施工などの連携によってZEHの整備に支援をする。
□補助額(長期優良住宅・ZEH・Nearly ZEHの新築・これらへの改修):最大140万円/戸
□加算措置あり 例:主要構造材の過半に地域材の使用で最大20万円/戸
リフォームを含めると他にもいくつか補助金はありますが、その全てに共通のキーワードが「省エネ」です。政府がどれだけ省エネ化を推し進めているかは、2024年(令和6年)4月に2000㎡以上の大規模建築物の省エネ基準引き上げや、2025年4月より全ての新築住宅・非住宅の省エネ基準適合義務化が既に決定されていることでわかります。省エネ関係の補助金も今後当分の間、無くなることはないでしょう。
各補助金の詳しい内容は、このブログ一番下のリンクからご確認ください。
最後に
こうして改めてみますと、建築業界がSDGsに貢献できることはかなり重要度が高いことが分かります。各事業者は、自分だけが儲かれば良いという思慮では事業が成り立たない時代が来ているのです。
また同時に、消費者は「自分の家が欲しい」と思うとき「地球のことを考える」義務がセットで生まれる時代になったとも言えます。
いつか来る地球の死を、これ以上人の手で早めないために。
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)に関する情報公開について(経済産業省/資源エネルギー庁)
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/housing/index03.htmlこどもエコすまい支援事業【公式】
https://kodomo-ecosumai.mlit.go.jp/LCCM住宅整備推進事業 実施支援室
https://lccm-shien.jp/住宅・建築物カーボンニュートラル総合推進事業(地域型住宅グリーン化事業)
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/09-01.html