賃貸とは違いご自身の持ち家は、各種手続き・必要設備の設置や環境準備はご自分で手配しなければならないことが沢山ありますよね。
ここでは、賃貸契約にはない新築住宅取得特有の手続きを中心に、忘れてはいけない重要な手続きをまとめました。
― 手続き関係 ―
①不動産登記
新築した場合、不動産取得日から1か月以内に、「表題登記」を申請しなければなりません。基本的に土地の仲介業者や建築業者が行ってくれるのであらかじめ相談しましょう。
また「保存登記」と言って所有権者を登録する登記が別途あり、義務ではありませんが抵当権の設定や売却する際の所有権移転登記などに必要となります。保存登記は一般的には表題登記と同時に行います。
※不動産取得日:請負による新築の場合、基本的に引き渡し日が取得日となります。
②不動産取得に関する申告書の提出(不動産取得税)
不動産取得後60日以内に都道府県税事務所へ申告しなければなりません。申請には②の登記事項証明や③に係る書類等が必要になります。
申告をしなくても不動産取得税の納付通知は届きますが、その場合は減税や優遇措置が適用されません。後日還付請求は可能ですが、不動産取得から5年以内に「不動産取得税減額申請書」と必要書類を提出し還付請求を行わなければなりません。
大きな金額になるため確実に軽減措置を受けるためにも、期限を守って申請しましょう。
③減税等申請書
不動産取得税の軽減などの国が用意している減税措置や補助金は、ご自身で適用条件を把握し、申請が必要です。
不動産取得税の軽減の申請は、基本的に②不動産取得申請と同時に行います。
また、住宅ローン減税、すまい給付金、こどもみらい住宅支援制度など様々な軽減・優遇制度がありますが、申請期限や方法はそれぞれ異なりますのでしっかりと把握して機会を逃さないようにしましょう。
※一部制度は業者が申請する必要があるものもあります。
④火災保険・地震保険加入
不動産の引き渡しと同時に全ての損害の責任は持ち主のものになるため、引渡し前に契約しておき引渡し日を保険始期日(保証開始日)にしておけば安心ですね。
⑤国民健康保険の資格喪失手続き
厚生年金加入者と市区町村をまたがない転居者には不要です。
引越し後の手間を避けるため、住民票異動手続きと併せて手続きしておきましょう。
⑥お子様の転校・転園手続き
在学中の学校に転校届を出し、必要書類(在学証明書、教科用図書給与証明書など)を受け取ります。その後、転居先の市区町村の教育委員会に連絡をし転校時期を伝えます。
住民票の異動後、教育委員会から指示のあった通学指定校に転入の手続きを行います。制服や学校指定の備品がある場合は買いそろえるのに時間がかかる場合があるので、手続きの際に確認を忘れないようにしましょう。
⑦電気・ガスの契約
引っ越してすぐ使えないと困るものですね。特にガス開栓には立ち合いが必要ですので、漏れの無いよう引越し日決定と同時に手続きをしておきましょう。
― その他賃貸物件への引越しと違う点 ―
賃貸物件は自身の所有物ではないため、新築住宅取得後の引っ越しには今までに経験がない作業も出てくると思います。
意外と穴になる例を挙げてみましょう。
◆床のワックスやコーティング (建築時に含んでない場合)
新築住宅はご自分で施すもしくは業者に依頼しなければ、ワックスやコーティングがされていない場合があります。
大切な家を長い目で見て床を保護するため、家具を入れる前に手配しておきましょう。
コーティング不要の床材などの場合もありますので、建築業者と打合せ段階でしっかりお話しておくことをお勧めします。
◆エアコン設置 (建築時含んでいない場合)
建築段階で契約に含まれていない場合はエアコンもご自身で手配が必要です。引越してから困らないよう、建築業者と契約をしっかり確認しておきましょう。
◆換気、掃除
引き渡し前に業者でハウスクリーニングは行いますが、その後不備の是正などで人や機材の出入りがあったり引越しまでに期間が空いたりすると再び汚れが発生します。
また引き渡し前に施主検査があるとは言え、その場で全てを見切れないのも事実。ご自分の目で細かく不備をチェックするためにも、入居前には隅々まで掃除をした方が良いでしょう。
また建築直後は建材の臭気や揮発成分の残留などがあります。現在新築住宅には24時間換気設備の設置が義務付けられていますので、引っ越しまでの間も常に稼働させておくことを推奨します。
◆キッチン、トイレ、バスシステム等設備のメーカー登録
近年ではIoT住宅など便利な設備・機能が満載ですが、初めて使用するとなると困る事が出てきますよね。
設備の各メーカーは大抵ユーザー登録ができるようになっていますので、保証やサポートをすぐ受けられるように登録をしておきましょう。
◆カーテンの寸法確認
賃貸の窓や建具は大抵の場合が標準規格の物ですので、引っ越してもカーテンの使いまわしが可能な場合がほとんどだと思います。
しかし新築の場合は、大きな窓や広い間口の建具などが使用されていたり好みで選定することが多く、今までのカーテンが合わないことが多いです。
引っ越した当日荷物があふれている状態で“夜丸見え”なんて事態にならないよう、しっかりと寸法・数量を確認して準備しておきましょう。
新築住宅で心配事なく満足するために
ここまで税制上の義務や漏らすべきでない事項を大まかにまとめましたが、細かな事まで考えるとまだまだ沢山ありますよね。
新生活が始まってから届く通知で焦ったり、引っ越してから困ったりせず快適に暮らしをスタートするために、ぜひ手を抜かずきっちりと、ひとつひとつ抑えて行ってくださいね。
疑問点やご自分が該当する制度についてなど、できるだけ調べたり有識者に教わったりしながら、引き渡し前にしっかりと業者と相談してください。
当社にはグループ会社のFP技能士も在籍していますので、総合的にサポートできる体制が整っています!
ぜひお気軽にお問合せください。お待ちしています。